ニカメイチュウおよびヨトウムシの卵における胚子発育に伴うコリンアセチラーゼの出現とアセチルコリン合成能の発現との関係
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概要
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ニカメイチュウおよびヨトウムシの産卵後時間以内の卵では, アセチルコリンが発現できず(CHINO &apm; YUSHIMA, 1953), またアセチルコリン合成能もない(YUSHIMA, 1957)。本報告ではこの理由について究明した。すなわち, 昆虫におけるアセチルコリンの合成には他の動物ですでに知られているように, coenzyme A と, 反応を完結させる Choline acetylase の二つの酵素が絶対に必要である。ところが, 産卵後24時間以内の卵にはcoenzyme A は存在するのにcholine acetylaseはこの時間以後になって出現し, これに伴って同時にアセチルコリン合成能も生じてくることを確かめた。上記の事がらを根拠として, 今までに見出されている昆虫卵の胚子発育に伴うアセチルコリンの消長(CHINO & YUSHIMA, 1953; CHINO, 1957; YUSHIMA, 1956,1956 a) を三つのタイプにわけ, それらの三つのタイプの現われる理由を図式的に示した。
- 日本応用動物昆虫学会の論文
- 1958-03-01