ホオズキカメムシの空間分布様式 : その集合性と関連して
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概要
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集合性昆虫の1種であるホオズキカメムシの空間分布様式を明らかにするため,温室内ホオズキ実験区での実験と野外ホオズキ群落での調査を行なった。分布様式の分析には,*m-m関係に基づく一連の統計的分析法を使用した。1. 本種が卵から成虫に成長する過程には,二つの定住期を間にはさんで三つの分散期があるが,それぞれの時期の分散は質的に異なっている。つまり,最初の2令期を中心とした分散は分布の集中度を高めるが,二番目の5令期を中心とした分散は逆に分布を均等化し,最後の成虫期の分散は分布に基本的な変化をもたらさない。2. 本種の分布の基本単位は,発育の経過につれて集団から個体へとしだいに小さくなっていく。このことは,本種の発育に伴なう集合性の弱化とよく対応している。3. 発育段階別にみた基本単位の分布は,いずれも集中分布である。しかし,その集中度は,幼虫前∼中期では高く,卵期,幼虫後期,成虫期では比較的低い。4. 以上の結果を基にして,集合性昆虫としての本種の分布様式の特性とその変化の意義を論じた。
- 日本応用動物昆虫学会の論文
- 1973-03-25
著者
関連論文
- 昆虫飛翔のメカニズムと進化, アンドレイ K.ブロドスキイ著, (1997), 小山重郎, 小山晴子訳, 築地書館, 199pp., 13,000円(税別)
- ホオズキカメムシの空間分布様式 : その集合性と関連して