糖尿病患者に対する臨床心理学的アプローチ : ある2型糖尿病例への試み
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概要
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2型糖尿病のように生涯にわたり治療を必要とし, 患者の生き方に深く関与している疾患に対しては, 患者の深層心理まで視野に入れた患者の全存在を対象にした治療法が必要であると考え, 患者の語りを共感をもって聴いていく臨床心理学の手法を取り入れた糖尿病治療を試みた.患者の語りを聴いていくにつれ, 患者と治療者との間の信頼関係が深まり, それとともに患者は糖尿病や治療に対するネガティブな感情を率直に話せるようになった.患者の心の内面が語られ出してから外傷の多発などが起こったが, 一方では血糖コントロールの安定化が認められ, 内面での落ち着きが示唆された.
- 2001-12-01