津軽と沖縄のシャーマニズムにみる癒し
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概要
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人類最古のヒーラーと再評価されるシャーマンの原型を色濃くとどめている津軽の「ゴミソ」と沖縄の「ユタ」, およびそのクライエントに注目する.岩木山の赤倉沢でゴミソの指導下で実践されている"行"の事例研究に基づき, 行のもつ心理学的意義を心身不調の意味づけにおけるコスモロジーの重要性, 変性意識状態の治癒機能, 人格の再体制化から再考する.沖縄シャーマニズムのキーワードは"カミダーリィ"とよばれる特異な心身不調の文化結合症候群であり, ユタの信仰治療が有効性をもつ.患者の対処行動を理解するには, 病い/疾病, 癒し/治療の二分法が重要であり, 地域のヘルス・ケア・システム全体を視野に入れる必要がある.
- 2000-08-01