イギリス(各国の心身医学の現状)
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概要
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イギリスの心身医学はアメリカやドイツに比較して見劣りする感がある。しかしそれは独特の医療制度によるものであり, 現状をつぶさに検証すると, イギリスの心身医学は医療現場において成熟した形態をとっているといえる。第一に, 初期医療の場において包括的で多次元的, 人間的な医療がごく当然のこととして実践されている。第二に, 職種性が重視され, 医師と他職種との共同作業のよって総合的治療が行われている。第三に, 医療への国民の態度という点で心身医学の哲学が広く浸透している。しかし, 心身医学としての統合された活動がなされていないため実践は過小評価されがちで, 学問的業績が集積されにくいことが短所であろう。
- 日本心身医学会の論文
- 1999-01-01