心身医学管見(心身医学の役割と今後の展望)
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概要
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心身医学の理論的, 研究的, 臨床的な面について述べた.心身医学では身体的な病気の発展, 経過, 転帰への生物的, 心理的社会的因子の関与のしかたを明らかにすることが重要な課題である.Zubinの発満脆弱性ストレスモラルは, 精神分裂病について提唱したものであるが, 心身症の発症と転帰の理解にも有用である.脆弱性は持続的なものであるが, 属気のエピソードはこれにストレスが加わって引き起こされるもので, 回復可能な時限的なものである.脆弱性を構成する人格については, Cloningerの気質・性格テストが有用である.一方, ストレス対処の方法を調査し, 発症の予防と良好な転帰に関係する因子を明らかにする必要がある.その因子となる心理療法の基本についても触れた.
- 日本心身医学会の論文
- 1998-01-01