アワヨトウの相変異 : II.相による成長過程のちがい
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
1) アワヨトウにみられる相変異の現象を明らかにする手段の一つとして,シャーレ当り1頭および10頭の密度区における幼虫の令数,各令の発育日数,体重,頭幅および摂食量をしらべ,成長のパターンのちがいを知ろうとした。2) 1頭区にまれに7令を経過する個体があるが,本種は普通6令を経て蛹化する。4令までは発育日数にちがいはみられないが,5令以後10頭区の個体の発育は促進され,蛹化までの所要日数は1∼2日短縮される。3) 体重(眠に計測)は4令までは10頭区のほうが重いが,以後逆に1頭区のほうが重くなる。頭幅は体重より1令おくれて同様の変化を示し,また4令までは10頭区のほうが個体変異が少ないが,5令以後は逆に多くなる。4) 摂食量は5令頃より10頭区の個体のほうがやや多く,6令には1頭区の約1.2倍の量を消費する。
- 日本応用動物昆虫学会の論文
- 1958-11-15