越冬期のニカメイチュウに対する黄〓病菌の感染に影響する要因について
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概要
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黄〓病菌の発芽,発育にとっての最適温度は28°C前後にあり,接種試験の結果とよい一致を示した。関係湿度が93%以上では胞子の発芽が見られたが,81%以下では全く発芽していなかった。福岡地方では黄〓病菌が春や夏よりも秋に多く発生するという報告があるが,西宮地方では春の終から夏の初めにかけて多く見られる。このちがいが地方による黄〓病菌の病原性のちがいによるのかと思って,接種試験を行ったが相違は見られなかった。接種に用いた胞子の浮遊液の濃度の対数と,死亡率のprobitとの間には大体直線関係が認められた。高濃度の胞子の浮遊液を幼虫に接種すると死亡率が高くなるが,それに伴って幼虫の死亡前期間の平均が短く,その歪度が大きくなる傾向が認められた。
- 日本応用動物昆虫学会の論文
- 1957-03-30