キボシカミケリの卵期間
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概要
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クワやイチジクの害虫であるキボシカミキリの卵期間を,恒温室内で調査した。調査した個体群は,1交雑群を除き,湿った濾紙上ではすべて11°C弱の発育零点を示した。これに対し,有効積算温度は高知個体群(飼育開始後第1世代,幼虫休眠型)の94.6日度から日野個体群(飼育開始後第30世代,幼虫非休眠型)の116.5日度まで,大きく変動した。室内で得られた発育零点と有効積算温度では,東日本型の卵態越冬を説明できないことから,野外における卵発育遅延要因として低温との遭遇や湿潤条件,寄主植物が与える影響について調査した。その結果,これらはいずれも卵発育を遅延させる効果を示したが,なかでも桑樹それ自体の遅延効果が最も大きかった。野外ではこれらの要因が相互に関与しあって本種の卵発育を遅延させるものと考えられた。
- 日本応用動物昆虫学会の論文
- 1995-02-25