トビイロウンカから分離したEntomophthora delphacisについて
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概要
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野外トビイロウンカの流行病から分離したEntomophthora sp.について,その形態と簡単な培養的性質とを調べた。分生子梗は分岐または単条,細長いcystidiaを持つ。分生胞子は長円形で32.7×14.8μ(寄主より),または30.2×15.5μ(培地より),大小の油球を含む。仮根および休眠胞子は発見できなかった。本菌はSABOURAUD寒天上では空中への菌糸の伸びや分生胞子の形成は良好ではなかったが,栄養を強化した培地では良かった。SABOURAUD培地での最適培養条件はpH 6.3∼6.7,温度25°Cであった。本菌はその形態と寄主により従来研究が少なく類似種との区別が困難であったE. delphacisと思われた。本菌と形態の類似するE. aphidisとは培地上での厚膜胞子等,および培養特性,またE. dipterigenaとは培養特性により判別が可能であった。
- 日本応用動物昆虫学会の論文
- 1976-09-25