質的研究とミーニング・ベイスト・メディスン
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概要
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従来の医学研究では,量的研究が標準的な方法として位置づけられてきた.振り返ってみるとその量的研究は,歴史・文化的に特殊な「均質な自然観」を前提に成立してきたものである.この点で量的研究には固有の限界があり,それを補う研究方法論が求められる.質的研究は人々が事物に付与する「意味」を理解するうえで適した方法論である.特に心身医学では患者の側の視点を理解することが重要となる.この点で,質的研究は心身医学的研究の有効な方法論となり得る.さらに広い視点に立てば,質的研究は「意味に基づいた医療(ミーニング・ベイスト・メディスン)」の方法論として主要な貢献を果たしていくことが期待される.
- 日本心身医学会の論文
- 2004-04-01
著者
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