ブラキシズムに関する文献レビューおよび九州大学での研究の紹介
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概要
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ブラキシズムに関する報告は数多く見られるが, ブラキシズムの疫学, メカニズム, 治療法については未だに解明されていない部分が多い.本論文では, これまでに報告されたブラキシズムの実験的研究や観察的研究をとおして, ブラキシズムについて解っていることを明確にし, これからの研究の方向性について示した.まず, 頭痛や筋痛などの顎関節症状とブラキシズムおよび咬耗とブラキシズムとの関係について, 次にラキシズムの疫学調査, 測定方法, 治療法について, 文献のレビューを行った.また, 本論文の最後にブラキシズムの日間変動の観察, および, ブラキシズムに対するスプリントの作用機序の解明を目的として著者らが行った研究を紹介した.睡眠時ブラキシズムの解明を困難にしている理由の一つとして, 研究によってブラキサーの定義が異なることがあげられる.また, 日間変動の存在や, 測定によるストレス等によってブラキシズムの活動が変動する可能性があるため, ブラキシズムを正確に捉えることは容易ではない.ブラキシズムの計測は, 睡眠時および日常の生活環境における活動が対象であり, また長時間・長期間のデータ収集・解析が必要であるため, 信頼性の高いデータを採取することが困難である.そのため, ブラキシズムの研究を行う際には, 研究計画の立案の段階から細心の注意が必要である.
- 日本顎口腔機能学会の論文
- 2000-08-31
著者
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