不安からの解放プログラム(FAP) : ミラーニューロンを介する新しい心理療法の可能性
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概要
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FAP (不安からの解放プログラム)という新しい心理療法につき報告した。FAPは実際の臨床において一定の有効性を示し、それは統計的にも確認された。手指を用いる技法としてのFAP診断の理論的な解釈のために、著者は「ミラーニューロン」システムを重視した。マカクザルの脳地図上において、F5領域にある「ミラーニューロン」は運動野や、中心溝を越えて体性感覚野とも直近している。両野においては「手の指」の領域が比較的広い部分を占めている。この状況において、著者は、F5ニューロンにおいて発火したインパルスを運動野および体性感覚野に伝導する経路の存在を想定し、それを「FAP神経路」と名づけた。すなわち、「ミラーニューロン」および「FAP神経路」は、FAPの主要な概念である受療者と治療者との間の「非言語的コミュニケーション」が「手の指」により行なわれることの可能性に寄与するものと思われる。
- 2004-09-01