市町村における支援費制度移行準備の現状と今後の課題(<特集>支援費制度と障害者の生活)
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概要
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支援費制度への移行を目前に、市町村における準備状況について述べた。まず介護保険制度と支援費制度を比較し、前者には低所得者にとっての過重な負担とサービスからの排除、選択と自己決定の困難な人が放置されるなどの問題点があること、後者は租税が財源で保険料負担がなく利用料についても応能負担だが、基盤整備の面では立ち後れていることを指摘した。管内の施設は居宅サービスの事業体の量的不足、相談支援体制の不備など、市町村の実施体制は全体として貧弱でかつ著しい自治体間格差が放置されている点について具体的に明らかにした。次に、制度開始を前にした市町村の準備について論じた。居宅介護では予測を上回る支援費単価となったが、事業者の指定申請は遅れており、予算の制約による支給量の抑制が懸念される。また制度開始3ヶ月前になっても制度の運動にかかわる重要事項が明らかにされていないことが市町村の準備作業を困難にしている。潜在的なニーズもふくめて真に申請者の意思を尊重した聞き取りと相談援助を行い、ただちに利用可能なサービスに限界がある場合でも申請を抑制せず、求められるサービスの種類と量を明確にすること、そのためには障害者ケアマネジメント従事者の要請と利用者本位の相談体制づくりが不可欠であると述べた、最後に、京都市、吹田市、豊中市、東京都足立区の準備状況について簡単に紹介した。
著者
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