去勢雄マウスにおける乳腺の組織発達とコルチコイドとの関係(畜産学)
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概要
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dd系の去勢雄マウスを用い, 副腎を除去した場合またはそれにハイドロコルチゾンを投与した場合の乳腺について, エストロゼンの付加による違いを比較しながら, 組織学的及び酵素組織化学的に検索した。エストロゼンの付加がない場合には, 去勢雄マウスの乳腺はいずれも未発達のままで, 副腎除去及びコルチコイド補給の乳腺に対する影響は不明確であった。エストロゼンを付加した場合には, 乳腺構造がよく発達して乳管の伸長分枝が進み, 上皮の酵素活性が明瞭となった。これらのうち, 副腎を除去したマウスでは, 対照にくらべて乳管が細く, その分枝も減少して, 上皮の酵素活性は低下した。一方, これらにコルチゾンを投与したマウスでは, 乳管が拡大するとともに分枝を増し, 諸酵素の活性もほぼ対照に近い高さとなった。これらの結果, 去勢雄マウスの乳腺は, エストロゼンで刺激された場合にのみコルチコイドの影響を受けることが明らかとなった。
- 神戸大学の論文
- 1981-01-30