酒米に関する育種学的研究 : II. F_2 集団における心白発現率, 玄米粒重および稈長の分離と, それら諸形質間の相互関係(園芸農学)
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概要
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1. 大粒で心白発現率の高い酒米品種山田錦, 兵系酒18号および伊勢錦722号と, 小粒で心白発現率の低い食用米品種朝日および千本旭との間で交雑して得られた, 6組わせのF_2集団を用いて, 心白発現率, 玄米粒重および稈長の分離様式と, これらの形質間の相互関係を調べた。2. 心白発現率の遺伝率は, 組合わせによって0.533∿0.897であり, 粒重および稈長のそれに劣らず高かった。3. いずれの組合わせにおいても, 心白発現率のF_2集団平均値は, 中間親の値より小さかった。また, F_2個体の分離は連続的で, 組合わせによっては正規布分に近かった。4. 心白発現率が高い親品種と同程度の心白発現率を示す個体の分離頻度は, 一般に非常に少なかった。これに比べて, 粒重の重い親品種と同様の粒重を有する分離個体の出現頻度は, 比較的多かった。5. 粒重および稈長に関しては, F_2集団平均値が中間親の値より大きい組合わせ, 小さい組合わせおよび両者がほぼ等しい組合わせが認められた。6. いずれの組合わせでも, 心白発現率と粒重との間には正の相関が認められ, 表現型相関係数は, 0.365∿0.795,また遺伝相関係数は0.316∿0.845とかなり大きな値であった。7. 心白発現率および粒重と稈長との間には, 正又は負の相関関係が認められる場合があったが, 相関係数の絶対値は一般に小さかった。
- 神戸大学の論文
- 1981-01-30
著者
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