『皮膚の下の頭骸骨』における犯罪
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概要
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P.D.JamesのThe Skull beneath the Skinは本格派イギリスミステリーであると同時に文学的スリラーと評価されている。この小説の舞台であるCourcy IslandはAmbrose Gorringeの犯罪の性質を語る重要な役割を果たしている。彼は一連の犯罪に大いにかかわったにもかかわらず,真犯人が自殺したこともあり,その犯罪は法のもとで裁かれなかった。彼の犯罪は証明が困難で,素人探偵Cordelia Grayの聖なる常識によって浮かび上がってくる性質のものであり,この視点はある意味では作者James自身のものでもある。だからこれは現代的犯罪の特殊で複雑な性質を描きだした犯罪小説と解釈できる。
- 順天堂大学の論文
- 1995-03-25