Why communication isn't a joke:relevance and content[講演]
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概要
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英国サルフォード大学教授ダイアン・ブレイクモアを1998年10月13日, 本校に迎えて上記のタイトルで講演会をもった。本稿はSperber&Wilson (1986,1996)の提唱した, 関連性理論(Relevance Theory)の名で知られるコミュニケーション理論のよって立つ基盤と, 基本的概念を紹介するものである。言葉がコミュニケーションの道具として最たるものであるから, 言葉の実際の使用を扱う語用論の理論である。相手に伝達しようとする意図を持った話し手が, そのとき, その場で発する文(発話)の解釈が何故そのようになされるのか, あるいは時として失敗するのか, これは心理的事象と見なされ, 単一の認知的原理に支配されているとRTは訴える。聞き手の復元する発話解釈について, RTは二つのタイプを区別する。一つは統語論の出力としての理論形式を下敷きにして, これに肉付けをしていくことによって得られるもので, 発意(explicature)と呼ばれる。たとえば, She blew up the mattress. においては, (a)sheが誰を指すのか(指示付与), (b) blew upはinflated with airの意味なのかuse explosive to destroyの意味なのか(一義化), (c)どの, 何のために使うマットレスなのか(指示付与と富化)を復元しなければならない。言語形式の持つ意味を越えての肉付けは, さらに(d)どういう発話行為をしているのか, (e)命題に対する話し手の態度といったものの復元も含む。
- 神奈川大学の論文