関わり手のコミュニケーション能力の向上に関する一考察
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概要
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コミュニケーションに問題がある障害児の指導は,多くは障害児側の問題として捉えられている。しかし,コミュニケーションは二者間の相互作用によって成立するので,関わる大人のコミュニケーション能力を検討し,その向上を図ることが重要である。本論は,筆者のコミュニケーション能力の向上を目指して,障害幼児通園施設に通うT君との関わりをINREALの手法を参考にビデオに録画して分析することで,筆者と周囲の環境の問題点を明らかにしようとした。分析の結果,(1)両者の1対1の関係が作りやすい物理的構造化の必要性,(2)筆者の言葉かけが多く待つことができない一方的な関わりの改善の必要性,(3)関心のあり方を見守り関心に即した教材の準備と待つことの重要性,(4)関わり手のコミュニケーション能力向上のためビデオ分析の重要性が示された。
- 1995-03-10