輸入中間財と最適な貿易政策
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概要
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本論文は、自国の最終財と中間財の市場がクールノー寡占市場であるモデルを用いて、最終財と中間財に対する最適な貿易政策について分析している。最終財に対する関税によって、自国の最終財企業は外国の最終財企業のレントを奪い取るが、自国における中間財の価格が上昇するため、そのレントはさらに中間財企業へシフトしてしまう。よって、外国の中間財企業が多ければ、最終財に対する最適な関税の水準は低下するのである。中間財に対する輸入補助金によって、自国の中間財企業から外国の中間財企業へのレントのシフトが起こる。一方、自国における中間財の価格が下がるので、自国の最終財企業は限界費用の低下から外国の最終財企業のレントを奪うことになる。さらに自国における最終財の価格も低下して、自国の消費者も利益を得る。中間財と最終財を多く輸入するときには、中間財に対して輸入補助金を与えることが最適となるのである。
- 2003-03-01