モーツァルトの歌曲「ルイーゼが不実な恋人の手紙を焼いた時」KV520における一考察
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概要
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今回,ドイツリートを学ぽうとする最初の段階でしばしば研究題材としてとりあげられるモーツアルトの“AlsLuise die Briefe ihres ungetreuen Liebhabersverbrannte" (KV520) を,楽曲分析と演奏表現法を中心に考察していくこととする.この歌曲は,女性によって歌われる歌であるが,短い曲にもかかわらず,音楽を理解し表現するためには最も適した楽曲の一つであろう.オペラの名作が次々と生み出されていくこの時期にあって生まれたとの歌曲は,オペラの手法と密接に関わっているものと思われる. 18世紀にあって,単純な有節の歌曲形式にこだわることなしより素直に自由に音楽でもって表現しようとしたモーツアルトの才能の一端を垣間見ることが出来る.なお本文中,掲載楽譜は, Barenreiter版を使用することとする.
- 熊本大学の論文
- 1997-02-28