カナダ企業におけるキャリア・ディベロップメント : 従業員自己責任の増加傾向
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概要
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1980年代半ばに生じた経済状況の変化により、カナダ企業は競争力維持のために内部組織の変革を余儀なくされた。この変革の中で、人員削減が行われ、企業内における組織と従業員の関係も大きく変化した。本稿は、カナダの大企業をめぐるこの新しい状況が、従来カナダにおいて見られたキャリア・ディベロップメント(career development)に与えた影響について論じるものである。まず、career、career development、career path、などの用語について説明した後、従来のカナダ社会におけるキャリア・ディベロップメントに対する考え方を検討する。次に、経済状況の変化によりカナダ企業において、キャリア・ディベロップメントがどのように変わったかを調べるために行われた研究調査について報告する。面接調査は、1993年の夏に、カナダの大企業8社を対象に行われたものである。面接調査の結果、カナダ企業におけるキャリア・ディベロップメントについて以下の3点が明らかになった。1、従業員自身が自分のキャリアに対して責任をもつようになったこと。2、新しいパラダイムをスムーズに導入するため障害が生じたこと。3、キャリア・ディベロップメント・プログラム開発を先導しているのは、ハイテク企業であること。最後に、1990年代後半のカナダ企業におけるキャリア・ディベロップメントの動向について論じる。
- 上智大学の論文
- 1997-03-31