本質を見失わない看護の発展
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概要
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今、看護への急進的な社会的要請と相まっての対応策としてか、看護の独自性とスペシャリテイーとしての学問の高度化が図られ、急がれているように見える。このため、本来看護がもっていた本質的内容が軽視されがちとなってきているように懸念されるのだが、それは、むしろ看護活動の後退化現象につながる恐れがあるのではないかと心配されるからである。看護にとっての医学、医療の知識・技術は、看護行為上の触媒的実践・活用であって職能上の主体ではないことをナース自身(特に看護教育に携わる者)は勿論、周辺コメデイカルメンバーはしっかりと認識してほしいものである。歴史的隘路に発展を妨げられてきた看護は、論理性の遅れと共に、今日まで社会一般における看護職への間違った認識をもたらすものとなっていた。しかしこれへの是正に対するあせりがあったとしても、看護は「人々の生命生活の福祉を目標として存在する」という本質論を忘れた止揚化は、決して本来的発展ではなく、異質の事象を招き兼ねないことを銘じなければならい。
- 広島文化学園大学の論文
- 1999-09-25