為替転嫁と戦略的行動:日本の半導体輸入のケース
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概要
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本稿では、寡占的競争市場において、各国輸出企業がどのように戦略的な価格付けを行い、その結果為替変動をどの程度価格に反映させているのかを分析した。日本のMOSメモリ輸入をGMMを用いて推計した結果、韓国と台湾及びアメリカ、台湾とシンガポール、シンガポールとアメリカの間で価格は戦略的補完関係にあるとの結果を得た。為替転嫁については、マーケット・パワーの大きい国で、為替変動が価格に転嫁される傾向のあることが示された。一方、為替転嫁率は従来の実証研究と比較すると低い結果となっており、価格競争の激しいMOSメモリ市場では、競合相手国企業の行動に配慮する結果、各国企業は短期的には為替レート変動を吸収する傾向が大きいことが示唆された。
- 横浜市立大学の論文
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