落葉性広葉樹、常緑性針葉樹林分におけるハイイヌガヤの出現と生育
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概要
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落葉性の広葉樹林分ならびに常緑性の針葉樹林分の地表部付近で出現しているハイイヌガヤを対象に分布ならびに生育特性を中心に分析を実施した。両林分においてハイイヌガヤはha当り1,100本の密度で分布し、平均樹高1.3m、平均根元直径2.75cmのサイズで生育していた。樹形的な特徴に着目すると、常緑性林分に分布するハイイヌガヤほど、枝葉を水平に飼旬させる傾向が強くみられた。樹体各部分における現存量を分析した結果、地上部の同化器官(葉部)・非同化器官(幹・枝)、地下部の非同化器官(根部)の重量配分に関して落葉性広葉樹林分ならびに常緑性針葉樹林分、それぞれにおいてハイイヌガヤの分布地点付近の上層木については樹冠の広がり・種・土壌構成・風向風力・地表付近の温度・日射などの要素によってぱらついていた。今回確認されたハイイヌガヤに関する生育阻害としては、5月・6月に枝葉部分が霜害を受けた他、一部の同化器官並びに繁殖器官が食害の症状を表していた。これらの傾向は特に落葉性広葉樹の樹冠下に分布するハイイヌガヤに多くみられた。
- 専修大学北海道短期大学の論文
- 2001-12-30