ハリギリの萌芽更新における短枝の役割について
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概要
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ハリギリ(Kalopanax pictus NAKAI)は,ウコギ科ハリギリ属の高木であり,種子による実生繁殖とともにKalopanax pictus栄養繁殖としての根萌芽繁殖および根ざし育苗が知られている。そしてKalopanax pictus頂芽異常に際しては,萌芽幹の萌出により,個体の維持(萌芽更新)を図ることも観察されてきた。そして,ハリギリの萌芽更新については,詳しい観察がなされておらず,ミズナラ,カシワなどと同様の,樹皮の表面ないし直下に存在する休眠芽(ロングバッド)からの萌芽である,と考えられてきた。けれども,観察に止まらず,解剖学的な研究を行ってみると,ハリギリの萌芽は,休眠芽からの萌出ではなく,樹皮上に飛び出している短枝からの伸び出し(短枝の長枝化)であることが判明した。それゆえ,本稿は,年輪解析を主体にした,ハリギリの萌芽更新に関する解剖的な所見を記載したものである。
- 2001-12-30
著者
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