女子学生の衛生に関する研究 : 生理時の随伴症状と運動能力との関連についての考察(一般教育)
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概要
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以上の結果を考察すると次のようなことが要約できると思う。1.生理時の随伴症状,特に下腹部の激痛を訴える者は最も多く,大学における体育活働がかりに軽運動であっても生理的,心理的ブレーキとなって本来の体育活動の意義や楽しさに大きく影響をもつものである。年令と共に運動から遠ざかる傾向に更に拍車をかけていることでもある。2.そして又,全体の23.5%を占める重症群に特別な指導が必要であることが考えられる。重症の原因については専門的な立場からホルモン分泌のアンバランスをははじめ種々論じられているが根本的に栄養と運動は欠くことが出来ないものである。3.随伴症状の無群と有群の比較では特に重症群の場合体格的には差が認められないが皮下脂肪厚,筋力,持久性の面では特に有意差ながあった。以上のことはこのことだけでの暗中飛躍的結論を出すことは危険であるが重症群は無群に比べて皮脂厚が少ないものが多く,又筋力の低い者多い傾向が推察できた。私は女子学生の体育指導者としての立場からこのことを強く意識し,今後の問題として深く考慮しなくてはならないと思うのである。私は,昨年九州大学の藤本教授のもとで精神分裂病患者を対象として運動療法を行ない,いささかの効果をあげたものであるが,この随伴症状についても同様可能であると考えられる。現在,女子学生の細長体型化現象と相まってこの随伴症状犬が増加する傾向を実感として受けとめているがこの面の追求が必要であり,重症者対策を検討すべき時期が果ていると思う。今回は筋力と持久力にのみその算出を行なったが順次柔軟性,瞬発力などの検定を行ない,女子学生の衛生にする関研究を深め貢献したいとねがっている。
- 中村学園大学の論文
- 1966-11-10