流通における商慣行と課題 : 商慣行改善調査を中心に
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概要
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わが国の流通は近代的小売業としてのスーパーマーケットをはじめデパート・CVS・各種ディスカウント・ストアや郊外型ショッピングセンター等の発達により外観的には先進諸国と遜色のないレベルに達していると見られているが、依然として内外価格差が著しく、効率的流通が実現されているかどうかは疑わしい。わが国の流通が輸入品の非関税障壁の元凶との指摘を受けて久しいが、その要因の一つとして伝統的に形成されたわが国の流通における商慣行の不合理性が挙げられ、このため通産省(現経済産業省)が、「商慣行改善指針」を発表し、以来業種別に実態調査を行うとともにその改善の進捗を調査している。しかしながら長年にわたり習慣化している商慣行は未だに多く残されていると思われる。一方「21世紀に向けた流通ビジョン」では流通セクターはわが国の国際化の先導的役割を持ち、市場開放のカギを握っていると位置付けられていることから、日本的商慣行のグローバル・スタンダード化は避けられないと見られる。そこで本稿ではわが国商慣行の実態を見ながら、改善すべき課題点を整理し、効率的流通への方向性を検討してみたい。
- 中村学園大学の論文
- 2001-09-15