ターミナル期を迎える子どものソーシャルワーク : 日本の絵本における死の描写からの一考察
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概要
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ターミナル期を迎える子どものソーシャルワークを行う上で我が国の発達過程にある子どもが死をどのように認識していくかを明確にすることは重要なことである。その前段階で、大人は子どもにどのように死を意識づけしているかということを考察・分析する。この分野の研究は、教育学や看護学、心理学分野等から研究はなされているか、未だ不十分であるのが実態である。そこで、本研究は序章として、子どもか大人から死をどのように意識づけされるかを考える目的で子どもの身近な絵本から分析、考察したところ若干の知見を得たので報告する。今回分析した日本の絵本の死の表現では、幼いもの、小さいもの、弱いもの、女性などが、苦しく、悲しく、悲惨な死に方をすることか多かった。したがって、人間や動物、変化ものに対し、死の描写の役割分担がパターン化されている傾向が明らかとなった。また、人間では性別役割分担が明確に現れる傾向かあった。したがって、ターミナルを迎える子どものソーシャルワークを行う時、日本の子どもが、「死」を知る一つの手段として絵本が挙げられるが、絵本の中にはこのような偏りがあることを理解し、援助を行う必要がある。
- 2003-03-25