喚起される主体と歴史を耐える意志 : 旧約聖書における倫理的可能性をめぐって(第2部)
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概要
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ヤハウェ宗教の起源は、モーセと神ヤハウェとの出会い(出3章)にある。この出会いにおいて、苦難のヘプライ人を「見る」というヤハウェの行為を、痛みへの共感、あるいは自己の痛みと解釈することによって、新しい共同性をつくり出す可能性が開かれたと考えられる。さらにこうした共同性のうちに保持された神の支配の核心を守り抜いた帝国支配の時代の預言者の活動を「歴史を耐える意志」として包括し、かつ歴史を生き抜く倫理として取り出すことができるのではないだろうか。
- 山梨英和大学の論文
- 1996-12-10