戦後雑誌の判型(第2部)
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概要
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戦後雑誌の判型は《A5判》 → 《B5判》→《AB判》→《A4・A4変型判》と拡大してきた。すなわち、 1951〜58年まで《A5判》が最大のシェアをもっていた。55年『主婦の友』のB5判化やB5判である週刊誌ブームが実株となって59年には《B5判》の雑誌が第1位のシェアを占めるに至った。その後『若い女性』のAB判への拡大変更や、同じAB判『ミセス』の売行き好調が、66年以降、女性雑誌を中心にしてAB判へと導く。70年、A4変型判の『an an』が創刊される。76年には《A4・A4変型判》は12%を占めたが、95年にほ29.5%に増加した。この判型は、創刊誌だけに着目すれば、91年では51.5%を占めている。このような判型の大型化は大部数の女性誌が先導してきた。これほ女性誌が有力な広告媒体であるためである。大判化は製作費用が増加するが、広告主は、大判化による広告効果の増大を評価して、広告料金の値上を呑んだのである。結局、戦後雑誌の判型大型化の直接的要因は広告によるものと思われる。もっとも、その前提には、1953年に始まるテレビ放送が招来した社会のビジュアル化があることはいうまでもない。
- 山梨英和大学の論文
- 1996-12-10
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