準体言
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概要
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動詞・形容詞・述語名詞に接辞「の」をつけて名詞に準用したものをここでは準体言と呼ぶ。接辞「の」は学校文法では準体助詞とされていたが、これを形式的な名詞として扱う説もある。「の」を単語と見るこのような説に対して,これを接辞として扱う立場から、ここでは「の」に内容と呼ぶべきものがあるか、準体言を文の中でのふるまいによって分類するときその実質的な部分をどういう点で考慮に入れるべきかを考察する。「の」は準体言に曲用の土台を提供しながら名詞としての機能を与えるけれども、形式名詞や動詞連用形からの派生名詞がもつような語い的な意味はもたない。準体言が作る選択の構造や分裂文と特徴づけの文の構造は準体言句全体のなかでのある成分の欠如や土台となる動詞のテンス的な性格のような実質的な部分の特徴に密接にかかわっている。また名詞句の文の中での用法からはみ出すような用法が許され、形式名詞よりも柔軟に述語とくみあわさる。
- 1994-12-10