中国の省エネルギー政策 : 日本との比較に即して
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概要
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研究ノート省エネルギーは、環境問題、エネルギーの安定供給、経済成長という3 者のトリレンマ(trilemma )を解く鍵として重要であると高く評価されている。中国は、1980 年から政府主導の省エネルギー政策を推進してきた。エネルギー対GDP の弾性値は1980 年以後、0.53 以下に抑えられ、大きな省エネルギー効果が見られる。しかし、中国においては更なる省エネルギーの可能性が残されている。日本の省エネルギー政策に関する研究は、母国の中国では非常に重視されているが、日本では中国の省エネルギー政策に関する研究はあまり見られない。そこで、本稿では、日本の省エネルギー政策及びその経済的な役割を簡単に考察する上で、中国の省エネルギー政策を(1 )直接規制的手段(Direct Regulatory Instruments )、(2 )経済的手段(Economic Instruments )、(3 )普及・啓発(Information and Consultative Approach )の三分法に分類して分析してみた。その結果、中国では、直接規制的手段を重視し、経済的手段を活用されていないことが明らかになった。更なる省エネルギーを実現するために、これから、行政管理に頼る従来の政策をとることなく、日本のような「ムチ」と「アメ」を組み合わせる省エネルギー政策の策定が望まれている。
- 同志社大学の論文