わが国におけるペット生体取引の現状と課題
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概要
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研究ノート底無しの不況で、少年による犯罪や幼児虐待が多発するなど、暗い世相の中、バブルの頃のように投機の対象ではなく、「癒し」の手段としてペットを求める人が増え、現在に至るまでペットブームが続いている。ペットを飼育する人が増えるにつれ、悪臭・騒音に対する苦情、繰り返される動物虐待、賛否両論のノラ猫騒動、昨今はやりの集合住宅でのペット飼育、更には金銭を巡る愛犬家同士のトラブルが殺人事件に発展するなど、ペットに関連するトラブルは大きな社会問題となっている。ペットトラブルとは、ペット対人間、ペット対ペットの問題ではなく、実は人間対人間の問題である。その中でも人間とペットの出会いの場であるペットショップでの生体取引をめぐる問題が、ペットトラブル全体の約8 割を占めている。そこで本稿では、まず「ペット生体取引における諸問題」と題して、ペット生体取引現場における諸問題を取引形態別に検討し、ペット生体は製造物責任法の製造物に該当するか否か、ペット生体取引が特定物取引か不特定物取引であるかの2 点を中心に、ペット生体取引における法律上の問題点を考察してみた。続いて、ペットと人間の共生を目指したペット法整備が急務ではあるが、未だペットに公共性が存在されていないとされる我が国では、まだそれには時間が必要である。とはいえ、現状のままでは不幸なペットが増えるばかりである。そこで、「ペット生体取引の課題と展望」と題して、ペット生体取引の適正化に向けて法規制ではなく、動物取扱業者の自主規制を柱とした政策提言を試みた。
著者
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