ケネディ大統領の政策決定スタイルの特徴とリーダーシップについての一考察 : ベトナム戦争への対応を事例として
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概要
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論説キュ-バ・ミサイル危機においてジョン・F・ケネディ( John F. Kennedy)大統領は、ソ連との息詰まるような交渉を通じてアメリカ本土を攻撃できるソ連製核ミサイルをキュ-バから撤去させることに成功したことで、指導力と行動力を兼ね備えた大統領として高く評価されるようになった。その高い評価は現在も続いている。このときのケネディの果敢な決断と指導力が、ケネディ神話が誕生するうえで大きな要因の一つとなったことだけは間違いない。ところでこのケネディにとって徐々に頭痛の種となり、暗殺される瞬間までかたときも彼の脳裏を離れなかった問題といえば、それは、1960年12月20日に結成された南ベトナム民族解放戦線とゴ-・ジン・ジェム(Ngo Dinh Diem)大統領の率いる南ベトナム政府軍との間で繰り広げられていた南ベトナムにおける熾烈な戦争であった。この南ベトナムでの戦争への対処にあたっても、はたしてケネディ大統領は、キュ-バ・ミサイル危機の時と同じように、果敢な決断に基づいて指導力を積極的に発揮したのであろうか。そのような疑問が当然のことながら沸いてくる。本稿では、ケネディ大統領のベトナム戦争に対する対応過程を時系列的に追いながら、それをもとにケネディ大統領の政策決定スタイルの特徴とリ-ダ-シップ問題について考察を加えてみたい。その中で、どうしてケネディはベトナム戦争をキュ-バ・ミサイル危機のように解決できず、泥沼にはまり込むことになってしまったのか、その原因に関しても触れるつもりである。以上のような考察を通じて、ケネディ大統領のリ-ダシップのある一面が垣間見られるのではないかと考えている。
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