学校給食におけるパン食、米飯食の比較
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概要
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学生の作成した実施献立により昭和57年度(238日分)、62年度(258日分)の摂取食品の無機質、カルシウム、リン、鉄、ナトリウム、カリウムの含量を調査し、次の結果を得た。1.季節別年度比較カルシウムは、57年度には所要量に満たなかったが、62年度は所要量を超えて春季、夏季、秋季ともにp<0.05、冬季、年間平均値にはp<0.001の有意差で高くなっている。リンは、夏季(p<0.01)年間平均値(p<0.05)ともに有意差をもって高値を示した。62年度のカルシウムとリンの比は1:2であった。鉄は、昭和57年度、58年度の調査では栄養所要量を下まわったが62年度に増加(年度比較では春季、夏季にp<0.05、秋季、冬季にp<0.01、年間平均値はp<0.001の有意差)し、いずれも所要量を充足していた。ナトリウムは、62年度が冬季、年間平均値(p<0.01)、春季、秋季(p<0.05)の有意差で57年度をはるかに上まわった。ナトリウム量は、一応の目安の食塩量10gよりやや高かった。カリウムは、62年度が各季節、年間平均値ともp<0.05〜p<0.001の有意差で高値となった。カリウムとナトリウムの比は1.5となり、カリウムの増加が必要である。2.季節比較1日摂取量の季節差について、冬季にp<0.05の危険率で有意差を示したのは、カルシウムの秋季・冬季間、ナトリウムの夏季・冬季間、カリウムの春季・冬季間であった。3.変効率はカルシウムとリンが夏季に40%を上まわったが、他は何れも低く年間を通して安定した摂取状態を示した。4.食品群別無機質の比率について、カルシウムは動物性食品51%、植物性食品49%であった。食品中含有比率は乳類37%、その他の野菜11%、豆類10%であった。リンは動物性食品に48%、植物性食品に52%であった。内訳は穀類30%、乳類17%、肉類、魚介類11%、卵類9%であった。鉄は動物性食品に35%、植物性食品に66%であり、穀類23%、肉類18%、豆類9%であった。ナトリウムは動物性食品20%、植物性食品に80%で、調味嗜好飲料47%、穀類15%、魚介類8%であった。カリウムは動物性食品に29%、植物性食品に71%でその他の野菜に15%、乳類11%の順となっている。本調査研究にあたり、集計・検定などご協力いただきました本学教授冨田絹子先生に厚く感謝いたします。本調査研究の一部は日本栄養改善学会第36回(1989)大会において口頭発表した。
- 1989-12-25
著者
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