Educational Reform in Contemporary Japan : Individualization and Internationalization?
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概要
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本論文は、ミシェル・フーコーの歴史観・権力観を用いて、歴史的、社会的及び文化な視点から戦後日本の教育改革、学校教育について日本人論と関連付けて分析を試みた。ミシェル・フーコーの歴史観・権力観を要約すると、「真理」は、絶対的な歴史的相対性であり、「歴史学の歴史」は社会における思考のシステムで真理と誤謬の生産体制であり、「ポストモダン社会における権力メカニズム」は単なる高圧的でなくディシプリンとセルフディシプリンの芸術的集大成であると表現できる。このような歴史観・権力観に基づいて、本研究は、まず戦後再構築された日本の政治・経済・社会システム及び文化選好が日本の教育に如何に影響を与え、日本の教育システムにおける権力構造が移り変わる過程を辿り、現代日本人の思考構造の枠組が戦後日本の教育によって形成されるプロセスを明らかにしたうえで、「理想的な日本人像」は学校教育のカリキュラムにどのように組み込まれたかについて論じた。次に、「理想的な日本人像」とそれに付随する「理想的な生徒像」は国家権力はもとより、多種多様な力による相互作用の結果として形成され、固定することのないイメージとして時代の変化とともに揺れ動く過程を分析した。最後に、80年代以後の教育改革で「理想的な日本人像」に「個人化」と「国際化」を新たに加えられたことにより、イメージとしての「理想的な日本人像」の揺れが一層振幅を増し、より流動的になったこと、その結果、かえって反「個人化」、反「国際化」の生まれる余地が与えられたことを指摘した。
- 2003-03-01
著者
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