株式、株主有限責任、資本金および株主の危険負担の相互関係についての一考察
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概要
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現行の株式会社における基本的特質としての株式、株主有限責任の制度および資本金の制度を、相互に内在する論理的関連性の観点から考察を加えた。まず、現行株式会社においては会社の成立、存立、維持および運営のあらゆる側面において「株式」は本源的要素技術と名付けるに値するほどの多種、多様な機能、役割を果たしていることを述べた。ついで本来の意味では株主と会社債権者との間に成立する法律関係としての株主有限責任の制度は、これを担保するところの資本金の制度に支えられて原始株主の出資後も依然として内在的、実体的には存在しているのではなかろうかという私見を述べた。最後に株式のもつ財産的価値を強調して、会社が経営不振に陥って承継株主を含む株主の有する株式の経済価値が原始株主の出資額もしくは株主の資本持分を下回り、最悪の状況ではゼロとなった場合には、株主有限責任に内在する危険負担者としての株主の地位、立場が具体化、顕在化して危険を負担し、不利益を蒙るのではなかろうかとする私見を開陳した。
- 摂南大学の論文