東アジアにおける国際観光と隣国間の観光流動
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概要
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日本の国際観光は,インバウンド(訪日外客旅行)よりアウトバウンド(日本人外国旅行)が極端に大きい。しかし,国内観光の空洞化が懸念されるなかで,インバウンドを重視する政策が出され,日本各地で外客旅行者の誘客活動が活発に行われている。本稿は,日本の国内観光の振興のためには,インバウンドの誘致が重要であり,インバウンドを向上させるためには,隣国間あるいは域内観光流動を増やすための何らかの取り組みが望まれるのではないかという問題意識に基づいたものである。そこで国際観光における隣国間の観光流動を考察し,東アジアを域とする国際観光流動について日本の国際観光の現状とともに検討した。本稿から以下のことがまとめられる。(1)東アジアにおいては中国(香港),台湾の二(三)者間の観光流動が大きく,アジアの国際観光におけるウエイトを増している。(2)東アジアにおける域内観光の比率は欧米に比べてかなり低い水準に留まっている。(3)隣国間,域内観光交流の比率が最も低い国は日本である。インバウンドを振興するためには,域内観光交流を拡大する必要がある。
- 九州産業大学の論文
- 1999-11-30
著者
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