ブロイラー流通と段階別価格形成に関する経済的研究
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概要
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ブロイラー流通及びその生産・流通の段階別価格形成についての研究は極めて少ない,とりわけブロイラー流通の最近10年間の変化については注目すべき構造変化があるにも関わらず,分析されていないし,段階別価格形成については殆ど関心が払われていない。最近10年間のブロイラー流通の変化は,生産地域が東海,近畿などの東海道ベルト地帯から,南九州や東北へ立地移動したことに伴う変化が大きい。それは第1にブロイラー処理場の生産地域への移動,第2に,ブロイラー輸送が,生体,屠体輸送形態から,部分肉流通への変化,常温流通から低温流通への変化である。第3にブロイラーインテグレーションが近郊小規模タイプから,遠郊大規模タイプヘ,さらに海外における合弁形態の多国籍型タイプヘの変化である。第4にインテグレターも飼料会社,農協タイプから,国際的商社タイプヘと変化している。そのため,第5にブロイラー生産費をみるとタイ国産が国産よりも安価であるのは主として労賃,地価の安さと円高の進行に基づいている。生鳥が2.6kgの場合のブロイラーの生産・流通の段階別価格形成を検討すると凡そ次のとおりである。農家庭先価格は667円,ブロイラー処理場では屠体として764円,ブロイラーの加工場で部分肉として,副産物も含めて1羽当たりに985円となり,これが小売店段階で1羽が全体として1282円となる。このことは農家段階を基準としてそれぞれ,100.0→147.5→192.2となり,倍以上となる。このようにブロイラーの附加価値形成が生産段階よりも,小売・加工・処理段階で大きいことを示し,ブロイラーインテグレーションも,生産→処理→加工→小売段階へと総合的に統合をすすめることとなろう。
- 1987-12-25
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