人文系大学教育における博物館展示の活用をめぐって : 秋田大学「朝鮮文化基礎論」の現場から
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概要
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「総合的な学習の時間」の実施にともなって,小,中,高等学校教育と博物館教育との連携に関する議論と実践が深められようとしている.一方,大学教育においては,これまで教員の個人的努力として教育と博物館とのリンクが行なわれてきたが,これについての方法論的な検討はまだ行なわれていない.筆者は,近年さかんになりつつあるFDの取り組みの中で,この問題の議論も行なわれるべきであろうと考える.こうした問題意識のもと,筆者は,秋田大学の「朝鮮文化基礎論」教育と博物館展示との連携を試みた.大衆化時代の大学教育にあって,高度な内容を一般市民向けにわかりやすくまとめた博物館展示およびそれにもとづく展示図録は,格好の教材である.ただし,これを利用する場合には,研究者としての大学教員による相対化が不可欠である.本稿では,この相対化の具体例の提示と検討を中心に,博物館活用のあり方について考察を行なうものである.
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