思春期の子どもたちの対人関係における過剰な気づかいや不安についての一考察 : 自己の経験の対象化とかかわらせて
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概要
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私は思春期の課題をうまく乗り越えられなかったため、その影響が現在も残っていると考えている。自らの体験をふり返ってみると、父親との関係と友達からのいじめがからみ合うことによって、父親の基準で行動し続け、何をするにも相手の顔色を伺うようになった自分の存在を自覚することができる。友達の評価を気にし、相手の顔色を伺いすぎるあまり、親密な友達をつくる意識を持てなかった。そして、自分の「自己愛的欲求」を肯定的に評価してくれる人の意見に頼って行動していた。現在の思春期を生きる多くの子どもたちも対人関係において「過剰な気づかいや不安」を持ち、自己を抑制し、親密な友達関係を築けなくなっている。しかし、本心では自分の素直な気持ちを伝えたい、相手に理解して欲しいという思いを強く抱いており、それを保障する環境をどのようにつくるかが現代の大きな課題である。
- 北海道教育大学の論文
- 2003-02-05