ターミナル期の家族ケア : 子どもに母親の死を教える
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概要
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ターミナルケアにおいて家族ケアは重要である。しかし,未だ,家族ケアの対象として子供に焦点を当てた研究は少ない。本研究では,学童期にある子供に母親の死を認知させ,その後の死の受容が行われるように関わった看護援助の効果があったので報告する。実際の看護介入としては,家族員すべてに対して自己表出を促すコミュニケーションを通して,(1)終末期にある母親と子供との関係づくり,(2)家族と子供の思い出作り,(3)母親から子供ヘメッセージを伝える橋渡し,(4)子供へ親に死を知らせるアプローチ,(5)夫への子供の関わりの支援,などを行い,患者を中心とする家族と医療者の関係調整を進めた。その結果,子供は予期的悲嘆を表現するとともに家族で時間を共有し,死について向かうことができた。そして,母親の死後も家族はセルフケア機能を維持できた。