プラズマ誘電応答関数とクラマース・クローニヒの関係式
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概要
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ブラソフ・マクスウェル方程式を線形化することにより導かれる無衝突プラズマの振る舞いを記述する誘電応答関数と,連続媒体の複素誘電率の実数部と虚数部を関係づける公式であるクラマース・クローニヒの関係式とは,双方ともにヒルベルト型積分を含むという意味で,数式として極めて似かよった形をしている。本論文では,この類似性は決して偶然の所産ではなく,(i)媒体の外部刺激に対する線形応答性,(ii)現在の状態は過去に起こった事象にのみ支配されるという"因果律",に起因するものであることを明らかにする。クラマース・クローニヒの関係式は極めて一般的に"誘電体"に対して成り立つ関係式であり,誘電体としての側面を持つプラズマに対しても当然適用可能である。無衝突プラズマについての"ランダウ問題"を取り上げこの点を考察し,ランダウ問題を記述する誘電応答関数は,クラマース・クローニヒの関係の1つの例であることを示す。
- 1995-03-30