経済システムの規定的要因に関する一考察 : 韓・日・米の輸出入銀行金融支援システムの比較を通じて
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概要
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本稿では,3ヵ国(韓・日・米)の輸出入銀行の金融支援システムの在り方がどのような説明要因に制約されるかについて,経済過程・組織・文化構造の3つの要因からアプローチを試みた。その結果,韓国輸銀のシステムは,主に文化構造的要因によって成り立っているし,日本輸銀のシステムには,これらの3要因が複合的に作用している。他方,米輸銀のシステムは,経済過程的要因の作用下で,主に文化構造的要因に規定されている。3行のシステムは,それ自体がそれぞれ異なっているように,システムの相違に対する説明要因も異なっている。システムの在り方の背景が,いずれも各国の伝統的な文化構造的要因が潜んでいるからである。システムのあり方を経済的要因のみから説明しつくすことができないように,文化的諸要因によっても説明しつくされうるものではない。同時に,システムの変化につれて,人々の意識や行動の様式が変わっていくように,文化構造がシステムの形成・運用原理として働き,その在り方を拘束しているためである。
- 2001-04-25