「ギドン・ドゥ・ラ・メール」について (前川寛教授退任記念号)
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概要
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本稿は,海上保険法史上一つのモニュメントであると言われている「ギドン・ドゥ・ラ・メール」について,若干の考察を試みたものである。「ギドン・ドゥ・ラ・メール」は,私的なマニュアルにすぎないが,そこに掲げられた多くの規定群はほとんどそのままルイXIVの海事勅令に受け継がれ,その重要性を高く評価されている。しかしながら,その重要性は広く認められているものの,これの研究はきわめて少ない。まして本格的な研究に限れば,皆無に近い。そのためもあるのであろうか,「ギドン・ドゥ・ラ・メール」には,未だに解決されていない問題が数多く存在する。本稿では,多くの問題から三つの基本的な問題,すなわち「ギドン・ドゥ・ラ・メール」の元来のタイトル,編纂・発行の時期および編纂者の問題を取り上げ,それらの解決の一端を提示している。
- 慶應義塾大学の論文
- 2001-02-25