流通機能の移転と小売店舗密度の構造変動 : 消費者と小売業社間における流通機能の分担関係をめぐって
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概要
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本稿では,流通構造の一側面としての小売店舗密度の構造変動の論理を探究して,3つの問題が議論される。第1に,流通構造を研究するために必要とされる構成素材が整序され,その要素間の相互関連性を総括しうる枠組が提示される。第2に,流通構造を研究するにあたっての出発点としての議論となりうる流通業者の介在の論理が,流通機能の移転問題を焦点に再吟味される。すなわちここでは,生産者-消費者から生産者-流通業者-消費者への垂直的流通構造の変動の問題が扱われることになる。第3に,流通段階における水平的流通構造の一側面としての小売店舗密度の構造の変動に焦点が当てられ,その変動が,消費者と小売業者間における流通機能の分担関係の帰結として,いかに生じるかが議論される。ここでは空間的問題を扱った経済学モデルが取り上げられ,マーケティング視点を導入した形でモデルを拡張していく方向性が示唆される。
- 慶應義塾大学の論文
- 2000-02-25