コーポレートカルチャーと人的資源管理慣行 : 量的分析と質的分析の接点を求めながら
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概要
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日本的経営論の社会文化的アプローチは,最近の年功,終身雇用の崩壊とともに,その説明力を失った。現在,HRM慣行の理論で最も実証性の高いアプローチは,経済学的発想に基づくものである。しかしながら,経済と文化は表裏一体である。経済があるところに必ず文化は存在する。本論文ではHRM慣行の理論で文化的発想を回復させるために,社会文化に代わって,企業文化的アプローチを試みる。さらに,社会文化的アプローチの崩壊のもう一方の原因は,質的研究への偏重であった。文化的アプローチとは,とかくイデオロギー論に発展しやすいものである。本論文の副題では,企業文化の量的分析と質的分析を結び付け,企業文化的な発想をイデオロギー論としてではなく,経済学的な発想と同様の実証性の高さを実現させるために,独自のアイデアによる実験的な試みを行う。
- 1996-12-25