中世ケルトの至宝『ケルズの書』
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概要
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西欧最高の写本『ケルズの書』は,アイルランドの国宝であるばかりか,さらに,世界が生んだ最も優れた文化と芸術の傑作である。現存する数少ない彩色本のなかでも,この写本は絵巻物のような美しさがあり,また,あざやかな色彩による絵模様や図案,とくに,アイランド風イニシャルの華麗な字体が顕著な特徴である。これはラテン語で書かれた福音書であり,フォリオ刷340葉(24×33cm)の写本である。そこには,4人の福音史家,すなわち,聖マタイ,聖マルコ,聖ルカ,聖ヨハネによる福音書のかずかずの箇所が抜粋され,とくに,神の子イエス・キリストの生涯が中軸となって,その教えや不思議な出来事の数々が生き生きと表現される。終りの部分では,キリストの受難とその栄光に満ちた勝利が輝かしく称えられ,真理の霊である聖霊の到来が喜ばしい約束となって表わされる。
- 1997-12-25
著者
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