電撃精錬法の沿革に就て
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概要
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電撃精錬法は高庄高周波電流に依る「原鉱処程法」を日本高周波重工業株式会社に於て,工業的生産化を企図せられたるもので, 記載するものは筆者の関係研究に従事したる同社富山工場電気試験所に於て行われた工業的生産の遠隔である。本法は製鋼原料の質的に量的に貧困な我國に於て高炉に不調当な貧鉱処理,即ち砂鉄精錬を目途とした特殊製鉄法の一方式である。この高周波に依る生産過程は凡そ二年間の短期間で爾来低周波即ち常用周波を用いて現在に至る。低周波に依る生産過程は凡そ八年間を経運営上或は経済的に或は技術的に幾多の難関に逢着し乍ら,生産即研究,研究即生産逐次能く之を克服し数度に亘り電撃炉の大改造を断行し,遂に良く質的に,量的に安定せる鉄鋼一貫作業体制を確立し得,製鋼原鉄の工業的生産方式を実現し,電力使用の合理化と生産増強に寄与したる事は周知の通りである。
- 富山大学の論文